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「過圧縮ポップ」と「圧縮歌謡曲」

僕は、Kindle Paperwhiteというタブレット端末を持っているが、これは電子書籍を読むことに特化している。

読書好きな僕としては、本の保管場所を考えなくて良くなり、若干は安く書籍が購入できるので非常に重宝している。

今の季節は、晩酌の焼酎お湯割りをチビチビやりながら、Kindleでの読書が格別だ。



それはさておき。

自分で言うのも何だが、僕のアレンジの特徴は展開が多いことだと思う。

1曲の中にいろいろな要素を入れて混ぜ合わせて、先の読めない驚きのある展開を目指している。

あくまで「目指している」のであって、あんまり売れていないところをみると、まだまだ研鑽が足りないのかもしれないが・・・

まあ、そこは置いといて、録音された音楽を聴く行為を「価値ある体験」と感じてもらうために、アレンジャーとしてできる答えの一つとして、チャレンジしている。

と言っても、演歌や歌謡曲のように主にシニア層のための音楽では、過剰に刺激のあるものより、じっくりと心に沁みるような情感のあるものを聴きたいと思っている人も多いようだ。

もちろん、僕のクライアントはそこがよく判っているいる方達だ。

しかし、その方達も、これからのシニア層に対して曲作りも同時に考えているようだ。

これからのシニア層の特徴として、ビートルズの洗礼をうけたり、GSやロックバンドを組んだりの楽器演奏のできる人達であったり、フォークの弾き語りに憧れた人達であったりする。

アメリカやイギリスのチャートを追いかけてきた、洋楽が好きな人たちも多い。

50歳半ばの僕としては、自分達の世代のための曲作りを積極的に考えても良いのではないか、と思う。

これからの歌謡曲や演歌や流行歌として。



ところで、過圧縮ポップという音楽のスタイルがあるそうだ。

以前の記事でも書いたが「ヒットの崩壊」という本が最近評判を呼んでいる。

そこに「過圧縮ポップ」という言葉があったが、ジャンルというよりスタイルというべきか、手法に近いというか、新しい概念だと思う。

簡単に説明すると、最近のアイドル系の楽曲などで、情報量を大量に詰め込み、転調やギミックやメロディの急激な飛躍などを駆使し、様々なジャンルの要素を意識的に混ぜ込んで、言うなればジェットコースターのような楽曲のことだ。

件の本によると、「過圧縮ポップ」は、いい意味でガラパゴス化している現在のJ-Popシーンにおける、海外に通用するオリジナリティとのことである。

考えてみると、アニメの劇伴(劇中伴奏音楽)は短い尺の中に、動画の動きに合わせて目まぐるしく展開する音楽が印象的だ。

当然、日本のアニメが好きなら、それを「Cool!」と感じる外国の方も多いであろう。



僕はアニメの劇伴作家でもないし、J-Popでなく歌謡曲のアレンジャーだ。

しかし、シニアの方々も子供世代や孫世代との交流のなかで、自然とアニメやアイドルやJ-Popを目や耳にすることも多いように思う。

そして思うのは、僕は松井誠さんという、大衆演劇スター出身の俳優の方の舞台の音楽をかれこれ12、3年作らせていただいているが、その舞台音楽はノージャンルでなんでもありなのだ。

観客は主にシニア層で、芝居は時代劇なのだが、演歌あり、ハードロックありの、テクノありの、EDMありのごちゃ混ぜを、どんどん展開させていく音楽を求められ、また作りまくった。

そこにストーリー性があれば、ジャンルなんか関係なくて、なんでもありだ。

というわけで、そこで鍛えられたので「圧縮」するのは得意だ。

「過圧縮ポップ」ほどの過圧縮は、今の歌謡曲を聞く層には激し過ぎて受け入れられないと思うが、「圧縮歌謡曲」くらいなら、むしろ歓迎されるのではないだろうか。

どんどん展開する中で、歌詞とメロディーと相俟って劇的要素が高まれば、ワクワクドキドキの喜怒哀楽のある「コト体験」は、単に再生して聞くだけのことでも「価値ある体験」になるのではないだろうか。

僕の独りよがりでなくて。



そんな感じで、理想は高く持って、音楽バカなりに仕事に打ち込んでいるわけだ。

師匠も先輩もいない、よく言えば一匹狼、悪く言えば変人なので、当たって砕けて何も問題ない。

というわけで、今日も晩酌チビチビやって「ヒットの崩壊」を、読んでみるとしよう。



ところで、元NHKアナウンサー吉川精一さん歌唱、たきのえいじさん作詩作曲、そして僕が編曲した「津軽半島」という曲が、今日YouTubeにアップされた。



しみじみと心に沁みる、どちらかといえば演歌であるが、展開は多めでいろいろチャレンジしてみた。

よろしかったら、ご視聴ください。
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