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イヤーパッドを甘く見てはいけない。

たまには音響機材の話でも。

レコーディングでもPAでも「音響」と関わる仕事には、業界標準のヘッドホンがある。

それは、Sony MDR-CD900ST というヘッドホンだ。

エンジニアさん個人で好みの音質のヘッドホンを使うことはあっても、スタジオ常設はほとんどこれだ。

音質はクセがなくフラットな周波数特性で、音の解像度が高く明瞭な音質だ。

いい音はいい音に、悪い音は悪い音と、ごまかしの効かないシビアさが、演奏や録音などのジャッジに確かさを与えている。

パーツを販売しているので、故障してもある程度は自分で修理できるのも良い。

また耐久性が高く、少々レベルを突っ込み過ぎてもドライバーユニットの破損は起きないし、落としても投げても壊れない信頼性の高さも魅力だ。

もちろん、僕はトラブル対策の予備を含めて3本持っている。



長く使っている人は知っていることであるが、問題なのはイヤーパッドが経年劣化してきて潰れてくることだ。

装着感が悪くなり、音漏れが起きたり、耳が痛くなってきたりする。

イヤーパットは¥780で販売されているので交換すればいいだけの話だが、毎日使っていると少しづつの変化なので、いつ交換すべきかがちょっと判りづらい。

それと、ドライバーユニットが経年劣化して中高域がピーキーになると最近まで思い込んでいた。

実はドライバーユニットと鼓膜の距離が「MDR-CD900ST」にとって重要なポイントで、イヤーパッドの潰れが原因でその距離が短くなって音質が変化するそうだ。

過去に中高域のピーキーさが嫌になってドライバーユニットを自分で交換したこともあったが、その時にイヤーパッドも同時に交換したので、音質が良くなったと思ったのは、実はドライバーユニットには問題がなく、イヤーパッドが新しくなって距離が適正になったことだったのかもしれない。

やれやれ、思い込みや先入観は発想の敵だな。




純正のイヤーパッドも良いが、少々お値段が張るが YAXI stPAD(for studio headphone DX)というサードパーティーのMDR-CD900ST用のイヤーパッドを購入してみた。

これがなかなか良い。

装着感もよく音漏れも少なく、何より音質が良くなった。

僕の手持ちの中で、購入して数年の新しめのMDR-CD900STのイヤーパッドを交換してみたのだが、それでも違う。

考えてみれば、悲しい事に僕は少し頭が大きめなので、設計時の想定より強い締め付けになって、ドライバーユニットと鼓膜の距離が純正のパッドであっても少々短くなっていたのかもしれない。

イヤーパッドのクッションの素材が良く、長時間装着していてもしっかり距離を保持し続けるので、安心して音楽に集中できるのがなにより嬉しい。

色がレッド、ブラック、ブルーとあるのだが、僕はブルー&レッドにした。

MDR-CD900STは、LがブルーRがレッドと色分けしてあるのだが、その色と合わせて作ってあるので、パッと見にLRが判るのも良いし、ルックスもお洒落になった。

もちろんYAXIから何ももらってはいないのだが、自信をもってMDR-CD900STユーザーの誰にでもお薦めしたい。



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