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音の重なりの境界線

最近、ピアノとガットギターとウッドベースと弦楽四重奏の、アコースティックでシンプルな編成で歌ものをアレンジした。

その歌は、譜割りは大きめで、言葉の行間を「間」で表現するタイプの楽曲だ。

クライアントの意向が、装飾的な音を一切省いたシンプルなアレンジとのオーダーだった。

普段は音を厚めにするアレンジのオーダーが多いので、今回は新鮮で楽しい仕事になった。



演歌歌謡曲業界では、演歌オーケストラ又は歌謡オーケストラと言われる、長年の伝統で熟成された楽器編成がある。

演歌歌謡曲の100%とは言わないが、多分80%位はこの編成で録音されていると思う。

その編成の基本形は、Dr、EB、Gtr、Pf、LPerc、の5人リズム隊にLead Gtr1名、6.4.2.2の編成のStrings(最近は
4.2.1.1とか小編成になることが多い)。

それに曲ごとに、SaxやTpやアコーディオン、マンドリン、ビブラフォン、尺八など、プラスαのソロ楽器が加わる。



この編成で、出来ないオーダーは無いといってもいいだろう。

トップクラスのアレンジャーならば、七色のアレンジとも言うべき色彩豊かな音の世界を作ることができる。

やはり伝統をリスペクトしつつ、自分なら何をそれにプラス出来るだろうと考え尽くすことが、僕は基本であると考えている。

トップクラスにはまだまだ遠い僕も、演歌歌謡曲のアレンジならば、たとえ打ち込みであってもこの編成を踏襲するように心がけている。



なんて言いつつも「伝統をぶっ壊せ」というオーダーなら思いっきりスクラップ&ビルドをするけどね。
まあ、それは置いといて。



前述した、シンプルなアレンジ。

Aメロ部分はガットギターのアルペジオのみ。

歌の「間」の表現もギターのアルペジオだけで成立している。

八分音符のギターのアルペジオに、試しにピアノの四分音符のアルペジオとウッドベースを足してみる。

これでも成立している。

これにドラムのシンプルなフレーズを足してみる。

そうしたら、歌の「間」の表現は成立しなくなった。

各楽器のアルペジオは「間」表現する音ではなくなって伴奏としての存在になってしまった。

「間」を表現する為に、伴奏で支える「対旋律」なり「オブリガート」が必要になってしまう。

この境目が、僕の考える「音の重なりの境界線」だ。

その境界線を越えると、ある程度の音を重ねないと成立しなくなる。

僕は「音の重なりの境界線」に対しての感度を上げたいと思っている。



前述したオーケストラは、伴奏楽器とソロ楽器とに割とはっきり分かれている。

確かに演歌歌謡曲には「間」の表現に対旋律やオブリガートが多用されているが、それも必然であると思う。

音の厚みも伝統であるからだ。

でも、その伝統の中でも僕でなくてはできない何かはある筈だ。

多くのアレンジャーがいる中で僕が選ばれる「+α」として、「音の重なりの境界線」の感度をもっと磨いていきたいと、強く思う。

そんなこと当たり前と言われそうだけど・・・

実行して形にしていくのみ、だね。





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