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演歌に使われる意外な楽器(その3)

演歌に使われる意外な楽器と、僕の使っているその楽器のソフトインスツルメントの紹介だが、第3回は「コルネットバイオリン」だ。

日本で、特に演歌歌謡曲業界では「コルネットバイオリン」と呼ばれているが、海外では「Stroh Violin(ストローバイオリン)」と呼ばれている。

このストローは、ジュースを飲む方でなく、人名で開発者の名前だそうだ。

表現力が素晴らしいバイオリンであるが、金管楽器やピアノなどと比べて、若干音が小さいという欠点がある。

クラッシックのコンサートのように、響の良いホールなどでの演奏で、お行儀の良いお客さんが静かに聴いている分にはまったく問題はない。

だが、酒場のような騒がしい場所や、金管楽器やバンジョーやアコーディオンなどとのアンサンブルでは、周りの音圧に負けてしまう。

現代においては、PA(音響システム)が良いので、マイクで録ればロックギターにも対抗できるのであるが。

昔は生音で対抗するしかなく、そんな経緯で生まれたのが「ストローバイオリン」。

見た目が、胴をとって竿だけになったバイオリンにラッパをつけた、非常に個性的な楽器である。

パッと見で、トランペットに良く似たコルネットという楽器をイメージすることから「コルネットバイオリン」とも呼ばれているそうだ。

戦前では、蓄音機を作っている会社が蓄音機のラッパ部分を流用して作っていたそうだが、現代の日本での製作者はなく、中古か海外で購入するしか手立てはないとのことだ。



なぜ演歌に使われるかというと、戦前や大正時代当時の録音機材の事情でよく使われていて、そのイメージからノスタルジックな雰囲気を演出できるからだ。

また、哀愁と悲しさを感じる音色だけではなく「うらぶれた感」を表現できる唯一無二な楽器でもある。

ただ、楽器の重量がそこそこあって、演奏者はアゴで挟むだけでは支えきれないので、ポジション移動の難易度が高いことが欠点である。

アレンジャーとして、そこを考慮にいれないで演奏困難なフレーズを作ると、レコーディング業界用語の「お笑い」という、その現場のミュージシャンやエンジニアさん達ののクスクス笑いがおきて、アレンジャーとしての評価が急落してしまうので要注意である。

代表曲は「小林旭/昔の名前で出ています」で、のイントロでその哀愁のある音色を聴くことができる。



さて、コルネットバイオリンはもちろん手練れのスタジオプレイヤーに演奏してもらうのが一番であるが、予算の関係で打ち込む場合、僕のお薦めというより、これしか無いのだが、

Impact Sound Works/The Stroh Violin」。

なんと太っ腹なことに販売価格は、$0!

ミュージシャン用語で「ダータ」!

音色は申し分ない。

しかし、奏法やアーティキュレーションの選択があまり無いのが欠点といえば欠点だが、そんな文句を言ってはバチがあたるというもんだ。



9/20に発売されたばかりの、北川かつみの新譜「新・四谷3丁目」の編曲をさせていただき、そのイントロや間奏でコルネットバイオリンを使ってみた。

このセッションは手練れのスタジオプレイヤーに演奏してもらい、素晴らしい「うらぶれた感」を表現していただいて、恐縮であるがアレンジャーとして上々の評価をいただけた。

幸いそのPVがYouTubeで視聴できるので、聴いていただけたら幸いだ。

https://youtu.be/xD-C86DXuaY



いい仕事して美味い酒を飲むこと


最近、ちょっと反省していることがある。

僕は1日の多くの時間、コンピュータを使用して仕事をしている。

なので、コンピュータに強いと思いこんでいた。

メモリーやHDD、SSDの増設や、インターフェースのセッティングなどのハード面も、多少は解っているつもりだ。

使用する主なソフトは、ProToolsHDか、Sibeliusか、ときどきsoundBladeSEだ。

書類を作るのに、Pagesか、Wordくらいは使う。

しかし、音楽制作以外の効率化については何にも解っていなかったようだ。



近年は、AWS(オーディオワークステーション)やソフトインスツルメントやプラグインの音質や表現できることの幅が広がり、いままで無理と諦めていた部分も打ち込めるようになってきた。

反面、クオリティーを上げようと思えばどこまでも作り込めるので、作業時間は増える一方だ。

我々の世界は、厳しい価格競争に晒せれており、クオリティーを上げて勝ち抜いてようやく現状維持、できなければ値下げしかない。

もちろん、テンプレートを作ったり、ショートカットを使用したり、音楽制作の作業効率を高める工夫はしていた。

しかし、今では音楽以外の事務仕事の時間の浪費について、認識が甘かったと思っている。



若手の作曲家やアレンジャーのブログをみると、個人事業主向けのクラウド会計ソフト、名刺管理ソフトなどを使って、音楽制作以外の事務作業の効率化を、当たり前のように行っている。

やはり、僕は若ぶっている昭和の痛いオヤジなのかもしれない。

確定申告は、領収書と電卓と格闘して膨大な時間を浪費して書いているし、日々の帳簿も付けずにドンブリ勘定だ。

名刺は電子保存は辛うじて行っていたが、交換した名刺の管理が甘く、いまひとつ関係性を思い出せない名刺も多い。

人のつながりの認識が甘いと、仕事の幅が広がらずに、身近で楽な人間関係に終始してしまうような気がする。



ということで、クラウド会計ソフトを導入した。

銀行口座だけでなく、電子マネー、PayPal、クレジットカード、amazonや楽天のアカウントと同期して、データ化される。

レシートや領収書もスマホで撮れば、それもデータ化される。

勘定項目も自動化が可能なので、音楽制作特有の経費の勘定項目を覚えさせる手間が最初だけかかるが、後は楽勝だ。

複式帳簿も簡単に作れるので、青色申告時に65万円の控除が受けられる。

現在の損益がすぐわかるので、ソフトインスツルメントやプラグインなどは、セールで安いから買う、ではなく必要だから買う、への意識の転換ができるようになった。



つくづく反省するのは、変な職人気質で音楽以外の雑用に関心持たずに、根性や気合でどうにかなるように思っていたことだ。

いい仕事を継続的に続けるには、仕事を効率化し、頭の中やコンピュータの中や身の回りを整理整頓して、クリアな頭と環境で仕事に臨むことが大切だと思う。

それと、今までやってきたやり方や、年齢や世代や、くだらないプライドに拘らずに、いいものは素直に取り入れることが、結局は自分を助けることになると思う。



最近のお気に入りは、琉球泡盛多良川の「琉球王朝」だ。

締めに、いい仕事して美味い酒を飲むこと、なんてわざわざ書きたくなるのが痛い昭和なオヤジなのかもしれないが。


演歌に使われる意外な楽器(その2)

打ち込みにつきもののプレイバック

1曲仕上げるのに、何度プレイバックして聴き直すことか。

真剣に集中してプレイバックを聴くと、細かいところが気になり過ぎて、全体の印象とか感情の抑揚とか見えなくなることもある。

俗にいう「木を見て森を見ず」というやつだ。



ということで、運動不足の解消を兼ねて、最近はストレッチしながらプレイバックしている。

頭の位置が変わるので、音の定位とか音量のバランスとかあまり気にならなくなって、リスナーに近い感覚で聴けると思う。

呼吸も深くなるので、血中酸素が濃くなって頭もスッキリするし。

僕のように長時間座る仕事をしている人は、特に股関節のストレッチが必要だと思う。

受け売りだが、腰痛の原因の多くは、骨盤周りのインナーマッスルが血流が悪くて固まったり、または筋力が落ちたりすることが原因とのことだ。

特に腸腰筋という、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉に刺激を与えることが重要で、トレーニングでなくてもストレッチだけで、姿勢がよくなったり疲れにくくなったり、良いことが多い。

音楽の仕事で打ち込みをする人は、「プレイバック時はストレッチ」を習慣にすることをお勧めする。



ところで、演歌に使われる意外な楽器と、僕の使っているその楽器のソフトインスツルメントの紹介だが、第2回は「バスクラリネット」だ。

クラッシックのオーケストラでも3管編成以上の規模で時々加わったり、吹奏楽やクラリネットアンサンブルで使われたり、どちらかというと縁の下の力持ち的な、ちょっと特殊な楽器であろう。

しかし、演歌では立派なソロ楽器としての役割がある。

むせび泣くような悲しさでなく、物悲しさや哀愁ややるせなさを表現するにぴったりの音色で、ガットギターやアコーディオンのソロの対旋律に相性がよく、また、男性歌手とメロディーをユニゾンすることで、歌を引き立たせる効果もある。

また、エレキベースと部分的にユニゾンしてリズムのアクセントになってみたり、ストリングスの低弦楽器とのユニゾンもドラマチックで、僕の好きな使い方のひとつだ。



バスクラリネットは、もちろん手練れのスタジオプレイヤーに演奏してもらうのが一番であるが、予算の関係で打ち込む場合、僕のお薦めは、
Vienna Symphonic Library Bass Clarinet」。

音色は良いが高価なことで有名なVSLだが、単体楽器としての購入なら、まあ買えないこともない。

それには、膨大なアーティキュレーションが用意されていて、キースイッチを使うことでかなりの細かい表現まで打ち込みが可能だが、実演を聴いてセンスを磨かないと、それっぽくならない。

演歌は今でもCDかカセットテープなので(Spotifyとかには無い)、きちんとお金を出して購入して聴きこんでセンスを磨くのが、なんだかんだ言っても一番早いと思う。

有名な曲(ド演歌ではないが)としては、舟木一夫唄の「銭形平次」


演歌に使われる意外な楽器(その1)

何度も書いて恐縮だが、真夏の夜に飲む沖縄の酒は最高だ。

梅雨があったかどうかよくわからない梅雨であったが、とりあえず公式の梅雨明けということだ。

眠れぬ熱帯夜には、暑さが感じられなくなるまで深酒して眠りにつくのが、自分的に正しい夏の夜の過ごし方だ。

今のお気に入りは「古酒琉球クラシック(新里酒造)」だ。

新里酒造はなんでも、沖縄最古の蔵元とのこと。

それだけで、なんかありがたい気持ちになるのは単純すぎるかもしれないが、料理によく合う食中酒として、普段飲みできる飽きのこない味わいとコストパフォーマンスの良さが気に入っている。



ところで、演歌に使われる意外な楽器と、僕の使っているその楽器のソフトインスツルメントの紹介だが、第1回は「バラライカ」だ。

バラライカはロシアの民族楽器で、日本では、昭和30年から40年代に流行った歌声喫茶で歌われるロシア民謡の伴奏で、一般に知られるようになったそうだ。

演歌にマンドリンのイメージのある人も多いと思うが、CDでマンドリンと思って聞いていた音色が、実はバラライカであることは意外に多い。

マンドリンはイタリア発祥の楽器であるので、良いところでもあるのだが特有の明るさがある。

バラライカは哀愁のある柔らかい音色なので、同じフレーズでもマンドリンとは味わいが違う。

もちろんアレンジャーは曲調に応じて使い分けるのだが、僕はソロではマンドリンの方が前に出てくる華やかさがあって良いが、歌の伴奏部分ではバラライカの方が歌を引き立てるように思っている。

また、ストリングスやアコーディオンなどとユニゾンしてみても相性がよく、控えめな存在なのにしっかりと哀愁や悲しさを表現できる、アレンジャーとしての仕事を助けてくれる重要な楽器の一つだ。



バラライカは、もちろん手練れのスタジオプレイヤーに演奏してもらうのが一番であるが、予算の関係で打ち込む場合、僕のお薦めは、
Ilya Efimof Production/BALALAIKA PRIMA」。

「Ilya Efimof」という名前からしてロシアにルーツのある人が制作していると思われるが、そのせいか、ロシア民謡で聞かれるあの哀愁だっぷりの音色が簡単に打ち込める。

トレモロスピードの変化も打込め、トレモロ以外の奏法も豊富なところが気に入っている。

サウンドライブラリー的な便利音源のソフトインスツルメントやハードシンセサイザーとは、一線を画する音色と表現力であることは、強調したい。



そうそう、泡盛古酒は大汗をかくほどうまいので、ここのところ仕事の休憩を兼ねて庭仕事をしている。

雑草抜いたり、剪定したりする程度であるが。

猫の額ほどの庭なので大したことはできないが、茄子や唐辛子などを栽培してみたりもしている。

そのおかげで日焼けして「ゴルフ焼け」とか「ハワイに行ったの」とか、からかわれたりするが、残念なことに「ただの庭仕事」だ。

抗生物質起因性急性出血性大腸炎(長い!)に罹った。

抗生物質起因性急性出血性大腸炎、または偽膜性大腸炎というらしいが、そんなご大層な病気に、今月の上旬頃に罹ってしまった。

名前こそ立派だが、生死に関わることは滅多にない病気とのことだ。

しかし、のたうち回る程の強烈な腹痛と、いつ果てることのないトイレ通いと、腸管出血が3日続き、見事に3kg痩せていいダイエットになった・・・そんな訳ないが、せめてそう思うとしよう。

痩せた以外、ただただ苦しいだけの病気だったが、誰でも罹る危険性がある病気でもある。

原因が、抗生剤(主にペニシリン系)使用時に腸内細菌が過剰に死滅して、その間に抗生剤の耐性菌が爆発的に増殖して発病するとのことである。



ことの始まりは、背中に粉瘤というおできができたことだ。

近所の皮膚科に行ったところ、化膿が進んでいるので、強めの抗生剤で化膿を治療しようとのこと。

抗生剤の使用には不安があった。

ペニシリン系の抗生剤は初めてであったし、過去に他の抗生剤で下痢になったり便秘になったりしたことがあり、その旨を医師に伝えた。

医師によると、標準的な治療方法であるし、いままで大きな問題もないし、心配しなくても良いとのことだった。

若干の不安もあったが、医師の言葉に従うしか選択肢はないように思った。

そこで処方されたでペニシリン系の抗生剤を1日3回を服用を始めた。

使用開始すぐ軽い下痢になったが、それは医師の説明にあったので、そのまま服用を続け5日目の夜に・・・

抗生物質起因性急性出血性大腸炎(長い!)に罹り、腹痛でのたうち回ったわけだ。

翌朝、市立の総合病院に紹介された胃腸科で検査と点滴をし、抗生剤の使用を止めてみたら、3日ほどで腹痛と腸管出血が治まった。

何せ、食事が全く取れず、点滴での水分補給しかできなかったので、最初の食事のおかゆの美味かったこと!

やれやれ・・・



その間、編曲の仕事、打ち込みの仕事、ライブのリハーサルと、仕事が忙しいところで多方面にご迷惑をおかけした。

幸い、関係者皆様の暖かいお力添えでなんとか難局を乗り越えられたが、人の優しさが身に沁みた1週間だった。

心からお礼申し上げます。



この記事を見ている皆様も、くれぐれも注意していただきたい。

病気の治療で抗生剤を使用することは、誰にでもあることだからだ。

僕はペニシリン系の抗生剤に対する感受性が高い体質だったようだが、薬の効き方には個人差がある。

治療や薬の処方に少しでも疑問に思うことがあったら、医大出のエリートの医師であっても、臆せず遠慮なく質問した方が良いと思う。

確かに医師はプロとしてのプライドもあるだろうし、感情のある人間でもある訳だが、自分を守るのは自分しかいない。

もちろん、相手をリスペクトし、感情的にならずに質問をすることが前提ではあるが。



今回の病気で、仕事が忙しい時は1つの躓きで全体が崩壊する危険性があることを、つくづく感じた。

仕事に取り組む上で、健康に対する意識と知識の向上の必要性に気付かされた。

作編曲家はは個人事業主であるから、組織が守ってはくれない。

自分以上に才能のある人はたくさんいるし、たくさんの中から選ばれたことの幸運に感謝する気持ちを忘れてはいけないと思う。



そして、酒の飲み過ぎには注意しないと・・・

イリアン・パイプスの陥穽

毎年書いているような気がするが、暑くなってくると何故か、沖縄の酒が美味い。

昼間の気温を25度越えると「夏日」と言うらしいが、そんな日が続くようになってきた。

そんな訳で、最近の晩酌は「琉球泡盛 残波ブラック」。

それと、奄美の黒糖焼酎も美味い。

サトウキビで作る焼酎だが、Wikiの引用で恐縮だが、
酒税法に関連した国税庁の通達によって、含糖物質(砂糖、蜂蜜、メープルシロップなど)を使って「焼酎」が作れるのは熊本国税局大島税務署が所管する奄美群島に限られる。」なのだそうだ。

奄美でしか作られないと聞くと、ありがたみが増してくる。

最近は「朝日」をよく飲む。

泡盛やら黒糖焼酎やらいろいろ飲んでいるが、それが家飲みの良さだろう。

いい酒でいい気持ちで適当に酔っ払わないと、頭の中がその日作った音楽がぐるぐる回っていて、目が冴えて眠れないのだ。



前回も書いた、ケルト音楽(アイリッシュミュージック)の特有の、「らしさ」を醸し出す楽器。

ティンホイッスル、フィドル(バイオリン)、アコーディオン(コンサルティーナ)、ケルティックハープ、イリアン・パイプス、などがある。

今回は、「イリアン・パイプス」で良いソフトウェア音源を見つけたので紹介したい。



イリアン・パイプスは一見バグパイプのような楽器である。

バグパイプは革袋に息を吹き込んで、その圧力でリードを鳴らす構造なので、大きい音が出る反面、音を止めたり強弱をつけたりすることが難しい。

イリアン・パイプスは肘で挟んだ鞴(ふいご)で’リードを鳴らす構造なので、あまり大きい音は出ないが、音を止めたり強弱をつけたりすることができる。

言ってみたら、バグパイプとアコーディオンのいいとこ取りのような楽器だ。



そのソフトウェア音源は「Ilya Efimov Production Uilleann Pipes」だ。

http://www.ilyaefimov.com/products/ethnic-winds/uillean-pipes.html

ソフトウェアサンプラー「KONTAKT5」のライブラリーとして動作する。

イリアン・パイプス特有のアーティキュレーションや装飾音が非常に使いやすく設定できるのが嬉しい。

しかし、最も注目すべきは、通奏音である「ドローン」と言う管と共に、キーのついた「レギュレータ」という伴奏用の管も再現されていることだ。

「チャンター」という旋律用の管と「レギュレータ」と「ドローン」の3本の管を再現することで、あの独特の世界感が表現できるので、夢中になって知らず知らすに何時間も弄り倒している自分に呆れたものだ。



VR的に劇伴(劇中伴奏音楽)で使うのが最も正当派な使い方であろう。

VR的な使い方だけでなく、EDMやヒップホップやエレクトロにも十分使えると思う。

特に最近の流行している「トラップ」の、クールで音数の少ないサウンドにはぴったりだと思う。

しかし、目の前の現実として、歌謡曲のアレンジに使える音色なのだろうか?

あの哀愁のある音は歌謡曲にも使えるように思うが・・・

中島みゆき「麦の歌」の歌のイントロにもバグパイプが使われているから、意外と行けるかも・・・

あれはスコッチウイスキーがキーワードのドラマの主題歌だったからなぁ・・・

優秀なソフトウェア音源だからこその悩みであるが。

こんなことに負けずに(何に?)もっともっと弄り倒して研究しようと思う。

「アイリッシュミュージック」を取り入れた編曲。

1997年公開の映画「タイタニック」の挿入歌、セリーヌ・ディオン歌う「My Heart Will Go On」のイントロで流れるティンホイッスルの音色を覚えている方も多いと思う。

劇伴作家であるジェームス・ホーナーが、大胆にアイリッシュミュージックのテイストを取り入れた音楽が印象的な映画だと思う。

「My Heart Will Go On」のヒットと共にティンホイッスルをフューチャーした劇伴(劇中伴奏音楽)や歌の編曲が市民権を得たように思う。



アイリッシュミュージックと書いていながらなんだが、正確にはCeltic Music、ケルティックミュージックというらしい。

それはアイルランドだけでなく、イギリスのスコットランドやウェールズ、フランスのブルターニュなど、ヨーロッパの各地に住むケルト人の文化的背景から生まれた音楽であるからだ。

それを演奏する代表する楽器として、ティンホイッスル、フィドル(ヴァイオリン)、ケルティックハープ、アコーディオン、イリアンパイプス(バグパイプの一種)がある。

もちろん、打ち込みでケルティックテイストを表現するために、いろいろとソフトウェア音源を購入した。

それが僕の編曲の特徴として認められれば、報われる投資であるのだが・・・

まあ、趣味とも言えるかもしれない。

そんな趣味的なソフトウェア音源を折りを見て紹介していきたいと思う。



昨年、歌謡曲にティンホイッスルとケルティックハープをフューチャーした編曲をした。

これは、すべて生楽器の同時録音で行った。

普段は打ち込みの仕事が多いので、編曲家冥利に尽きる仕事だった。


大下香奈/やさしい雨~アイリッシュver.~


演歌歌謡曲を制作する側が、世代間の手を離してしまっているかもしれない。

最近の晩酌のお気に入りは「尾鈴山 山ねこ」だ。

下北沢の行きつけの「Perry's Bar」のマスターに教わった焼酎だ。

と言いつつも、普通に居酒屋や割烹店などでよく目にする焼酎なので、希少価値があったり高価であったりしないが、飽きのこない味が魅力だと思う。

それと香りが売りらしく、芋焼酎らしいフルーティな香りも疲れ切った脳を癒してくれる。

ロックでも水割りでもお湯割りでもいける気軽さもカジュアルでいい。



その下北沢の「Perry's Bar」であるが、住宅街にあり特に宣伝もしていないので、Google検索しても出てこない。

かれこれ17年くらい営業しているそうで、内装もそのままで時の止まったような店だが、そこがまたいい。



話はかわるが、演歌歌謡曲は「不倫」をテーマした曲が少なからずある。

もちろん、歳をとれば家庭をもっている可能性が高いから、そこから恋愛をテーマにしてみたら、自然と不倫になってしまう。

歳をとっても、たくさん恋愛して、わくわくドキドキして生きることは、それはそれで素晴らしい。

もちろん、本当に不倫をしたらダメだが、あくまでイマジネーションとしての恋愛なら、という前提であるが。

だが、その子供世代(と言っても20代から40代)に受け入れ難い部分もあるだろう。

恋愛も結婚も子育ても初めての体験が続く世代には「不倫はちょっと…」であろう。

初めての体験の連続で、夢のような怒涛の日々を過ごしているのだから。



残念なことに、演歌歌謡曲は、世代間で断絶されたシニア世代特有の音楽と思われているかもしれない。

しかし僕は、ド演歌特有の「ブンチャカ」サウンドや、ゆっくりしたテンポ感や、独特のこぶしや、その他もろもろのメロディや歌唱法やサウンドに、問題があるようには思ってはいない。

やはり、世代間で共有できるテーマの歌詩がもっとあっても良いと思っている。

たとえば、家族愛だ。



20代で「兄弟船」をカラオケで歌う人が意外と多いとの話を聞く。

もちろん、仲間と違った曲を歌ってウケを狙っている部分もあるだろう。

父親の十八番で自然に覚えたのかもしれない。

ただ、家族愛がテーマの詩と、演歌にしては勢いのあるサウンドも、それを選択して理由にあると思う。



逝ってしまった愛する人に贈るラブソング、をテーマにしてもいいと思う。

若い世代であっても、肉親、親戚、友人、知人などの、愛する人がいなくなってしまった喪失感に苦しんでいる人も多い。

そういう人の心に寄り添う歌がもっともっとあっても良いと思う。



演歌歌謡曲を制作する側が、世代間の手を離してしまっている状況を僕は憂いている。

こちらから手を差し伸べることが、演歌歌謡曲の世界でご飯を食べさせていただいる者の使命かもしれない。

僕が下手なりに、歌詩を書いているのはそんな理由だ。

編曲家としても二流三流なのに、生半可な覚悟(そうではないのだが)でいろいろ手を出すな、という批判も甘んじて受けようと思う。

世に問う良い歌詩を書ける力量がないのが、なんとも歯がゆいが、ただただ続けていこうと思っている。



演歌歌謡曲業界の界隈がザワついている。

なぜ、演歌歌謡曲業界の界隈がザワついているかというと・・・

今年、日本作曲家協会日本作詩家協会の共催で行われる「ソングコンテストグランプリ・2017」において、グランプリ曲が「鳥羽一郎」さんの新曲として日本クラウンより発売されることが決定しているからだ。

演歌歌謡曲業界において、作詩と作曲が分業化されている関係で、作詩部門の募集で2編の最優秀詩を選び、それを課題詩にして作曲部門の募集を行い、最終的に2曲のグランプリ曲が選ばれる。

若い方でたまたまこの記事を見て、鳥羽一郎さんを知らない方がいたら、これを機会にぜひ歌を聴いてみて欲しい。

演歌歌謡曲業界では最も重要な歌手の一人なので、演歌が苦手な人も知識だけでいいから知っていて欲しいと思う。

トピックスは誰でも応募できることだ。

作詩部門の募集は今月いっぱいで終了する。

この記事を見て初めて知った人で作詩ができるなら、躊躇せず応募した方が良いと思う。

たとえ異なるジャンルの音楽の方でもだ。

演歌歌謡曲業界は変革の時代に入ってきているので、新たなる才能は大歓迎だ。




恥かしながら、作詩が本業の方に申し訳ないと思いつつ、作編曲が本業なのに作詩部門に応募してしまった。

自信はあるわけがないが、とにかく全力で書いたので、結果はどうあれうまい酒が飲める。

と、思うことにする。

「過圧縮ポップ」と「圧縮歌謡曲」

僕は、Kindle Paperwhiteというタブレット端末を持っているが、これは電子書籍を読むことに特化している。

読書好きな僕としては、本の保管場所を考えなくて良くなり、若干は安く書籍が購入できるので非常に重宝している。

今の季節は、晩酌の焼酎お湯割りをチビチビやりながら、Kindleでの読書が格別だ。



それはさておき。

自分で言うのも何だが、僕のアレンジの特徴は展開が多いことだと思う。

1曲の中にいろいろな要素を入れて混ぜ合わせて、先の読めない驚きのある展開を目指している。

あくまで「目指している」のであって、あんまり売れていないところをみると、まだまだ研鑽が足りないのかもしれないが・・・

まあ、そこは置いといて、録音された音楽を聴く行為を「価値ある体験」と感じてもらうために、アレンジャーとしてできる答えの一つとして、チャレンジしている。

と言っても、演歌や歌謡曲のように主にシニア層のための音楽では、過剰に刺激のあるものより、じっくりと心に沁みるような情感のあるものを聴きたいと思っている人も多いようだ。

もちろん、僕のクライアントはそこがよく判っているいる方達だ。

しかし、その方達も、これからのシニア層に対して曲作りも同時に考えているようだ。

これからのシニア層の特徴として、ビートルズの洗礼をうけたり、GSやロックバンドを組んだりの楽器演奏のできる人達であったり、フォークの弾き語りに憧れた人達であったりする。

アメリカやイギリスのチャートを追いかけてきた、洋楽が好きな人たちも多い。

50歳半ばの僕としては、自分達の世代のための曲作りを積極的に考えても良いのではないか、と思う。

これからの歌謡曲や演歌や流行歌として。



ところで、過圧縮ポップという音楽のスタイルがあるそうだ。

以前の記事でも書いたが「ヒットの崩壊」という本が最近評判を呼んでいる。

そこに「過圧縮ポップ」という言葉があったが、ジャンルというよりスタイルというべきか、手法に近いというか、新しい概念だと思う。

簡単に説明すると、最近のアイドル系の楽曲などで、情報量を大量に詰め込み、転調やギミックやメロディの急激な飛躍などを駆使し、様々なジャンルの要素を意識的に混ぜ込んで、言うなればジェットコースターのような楽曲のことだ。

件の本によると、「過圧縮ポップ」は、いい意味でガラパゴス化している現在のJ-Popシーンにおける、海外に通用するオリジナリティとのことである。

考えてみると、アニメの劇伴(劇中伴奏音楽)は短い尺の中に、動画の動きに合わせて目まぐるしく展開する音楽が印象的だ。

当然、日本のアニメが好きなら、それを「Cool!」と感じる外国の方も多いであろう。



僕はアニメの劇伴作家でもないし、J-Popでなく歌謡曲のアレンジャーだ。

しかし、シニアの方々も子供世代や孫世代との交流のなかで、自然とアニメやアイドルやJ-Popを目や耳にすることも多いように思う。

そして思うのは、僕は松井誠さんという、大衆演劇スター出身の俳優の方の舞台の音楽をかれこれ12、3年作らせていただいているが、その舞台音楽はノージャンルでなんでもありなのだ。

観客は主にシニア層で、芝居は時代劇なのだが、演歌あり、ハードロックありの、テクノありの、EDMありのごちゃ混ぜを、どんどん展開させていく音楽を求められ、また作りまくった。

そこにストーリー性があれば、ジャンルなんか関係なくて、なんでもありだ。

というわけで、そこで鍛えられたので「圧縮」するのは得意だ。

「過圧縮ポップ」ほどの過圧縮は、今の歌謡曲を聞く層には激し過ぎて受け入れられないと思うが、「圧縮歌謡曲」くらいなら、むしろ歓迎されるのではないだろうか。

どんどん展開する中で、歌詞とメロディーと相俟って劇的要素が高まれば、ワクワクドキドキの喜怒哀楽のある「コト体験」は、単に再生して聞くだけのことでも「価値ある体験」になるのではないだろうか。

僕の独りよがりでなくて。



そんな感じで、理想は高く持って、音楽バカなりに仕事に打ち込んでいるわけだ。

師匠も先輩もいない、よく言えば一匹狼、悪く言えば変人なので、当たって砕けて何も問題ない。

というわけで、今日も晩酌チビチビやって「ヒットの崩壊」を、読んでみるとしよう。



ところで、元NHKアナウンサー吉川精一さん歌唱、たきのえいじさん作詩作曲、そして僕が編曲した「津軽半島」という曲が、今日YouTubeにアップされた。



しみじみと心に沁みる、どちらかといえば演歌であるが、展開は多めでいろいろチャレンジしてみた。

よろしかったら、ご視聴ください。

Appendix

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Author:Deep寿
フリーランスの作編曲家
たまにピアノ弾き

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