最近、ここ3年くらい、赤ワイン(ボルドー系のミドルとフルボディ)好きが高じて、赤ワインに合うか合わないかで食べるものを決めるようになった。
砂糖やみりんを使った味付けだと、赤ワインの成分のタンニンと非常に相性が悪い。
タンニンをわかりやすく言うと、渋柿の「渋い」成分のことだ。
海鮮系の生もの(寿司とか刺身とか)との相性も悪く、タンニンの渋さが繊細な生の海鮮の旨味を消してしまい、生臭さばかりが口に残ってしまう。(因みにタンニンが優しいブルゴーニュ系の赤ワインは寿司との相性は悪くない)
手っ取り早く言えば、和食とボルドー系の赤ワインの相性はあまり良くない。
そのおかげで、家でも外でもイタリアやフランス、スペイン、ポルトガルなどの、南欧系の料理ばかり食べるようになった。
家でも外でも、ビストロとかバルとかトラットリア、なんて感じになってきた。
その挙句、思い余ってまだ使える炊飯器を捨ててしまい、家でご飯を炊くこともなくなった。
ところで、最近、酒の席とかで「炊飯器を捨てた」と言うと、どう言うわけか盛り上がる。
僕の顔つきが、日本人というよりもラテン人ぽく見えるせいだろうか。
もしかしたら、よっぽどのバカにみえるのだろうか。
・・・わからん。
まあ、グダグダな話は置いといて。
「
なんでミュージシャンなのか?(その4)の続きで、プロとして必要な能力の「需要を掘りおこす能力」について書いてみる。
2、需要を掘りおこす能力があること
演歌歌謡業界は、日本というより世界的に珍しく、オーケストラの同時録音のスタイルが標準だ。
大規模なスタジオに、リズムセクション、ストリングス、管楽器など、総勢25名前後のミュージシャンが一堂に会して演奏する現場は、壮観である。
また、アレンジャー以外にも、メーカーのディレクター、エンジニア、写譜屋、インペク屋、など多くのスタッフが関わる。
セッションの規模が大きい分、どうしても高コストである。
しかし、昔と収益構造が変わってしまって、制作費のコストを下げることが必要になってきている。
僕の場合は、生楽器のシミュレーションに長けたプログラミングができるので(と言うか、これが売り)、生演奏好きな歌手や制作スタッフがコストの面で諦めていたことが可能であることを、評価していただいている。
僕としては、生でないことを言い訳にしたくないだけで、本当はアレンジのセンスや工夫を見て欲しいのだが、まあ、切り口としての生楽器シミュレーションはありなのだろう。
「生楽器のシミュレーションに長けたプログラミング技術」も、需要を掘り起こす能力と言えるだろう。
僕は、自宅に2畳ほどの録音ブースのある小さなスタジオを持っている。
さすがにドラムは難しいが、ほどんどの楽器のダビングを行なうことが可能だ。
録音機材も、通常の商業スタジオに準ずる程度のものは取り揃えている。
Vocalダビングも普通に行なっており、ピッチやリズムの編集も普通のエンジニアさん程度にはできる。
謂わば、スタジオ付きアレンジャー兼エンジニアである。
これらを武器に、今までの制作スタイルとは違う提案をして、クライアントはコストを抑えられ、僕はアレンジャー以外の収入が得られ、お互いにハッピーな関係を作り出せる。
自分の事例ばかりで恐縮であるが、クオリティを落とさずにコスト削減の提案ができれば、需要を掘りおこすことは可能だと思う。
アレンジャーもする、エンジニアもする、写譜もする、スタジオもある、というように、1人で何役もできることが、これからの時代に、クリエイトを仕事とする人々に求められているのだと思う。
これからはそれだけでなく、動画編集や、プログラミング言語でコードが書けたり、イラストなど平面上のデザインができたり、カメラマンとしての能力、文章を書ける能力など、マルチな才能が求められていくと思う。
AIなどを駆使して学習や作業の過程を効率化し、過去からは考えられないマルチな才能を発揮する人が、これからは多く生まれてくると思っている。
というか、もう実際に活躍している。
時代とか、不器用とか、昭和とか、アナログとか、出来ない言い訳を考えるヒマがあったら、先ずは、好奇心をもってどんどんやってみた方が良いと思っている。
また、そういう自分でありたいと、強く思っている。